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相続放棄後の管理|空き家問題と解決策

不動産

三谷 亜希子 

筆者 三谷 亜希子 

不動産キャリア11年

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相続放棄後の管理|空き家問題と解決策

「相続放棄をすれば、実家の管理から解放されるはず…」
遠方に住んでいたり、老朽化が進んでいたりする実家などの不動産。 維持管理の負担から、相続放棄を検討するケースは少なくありません。 しかし、相続放棄をしても、管理責任が残ってしまう場合があることをご存じでしょうか。

実は、2023年4月の民法改正により、相続放棄後の管理責任に関するルールが明確化されました。 この記事では、相続放棄をしても残る空き家の管理責任とは何か、放置するリスク、そしてその責任から解放されるための具体的な解決策について、プロの視点から詳しく解説します。


目次

  1. 相続放棄しても管理責任が残る?? 【2023年民法改正】
  2. 空き家を放置する「2つの大きなリスク」
  3. 管理責任から解放されるための具体的な解決策
  4. 解決の切り札「相続財産清算人」とは??
  5. よくある質問|相続放棄後の空き家管理

1. 相続放棄しても管理責任が残る? 【2023年民法改正】

従来、「相続放棄をすれば、不動産に関する一切の権利義務がなくなる」と考えるのが一般的でした。 しかし、2023年4月1日に施行された改正民法により、ルールがより明確になりました。

ポイントは、相続放棄した人がその不動産を「現に占有している(事実上管理している)」場合、他の相続人や、後述する「相続財産清算人」に不動産を引き渡すまでの間、 建物の保存義務(管理責任)を負うと定められた点です。

ポイント 内容
責任を負う人 相続放棄した人のうち、その不動産を「現に占有している」人(例:被相続人と同居していた、鍵を管理しているなど)
負う責任の内容 建物の倒壊防止など、最低限の管理を行う「保存義務」
責任を負う期間 他の相続人や相続財産清算人に不動産を引き渡すまで
チェックポイント
● 相続放棄=管理責任がゼロ、とは限らない
● 実家を事実上管理している状態だと、保存義務が残る可能性がある
● この責任は、財産を引き渡すまで続く

2. 空き家を放置する「2つの大きなリスク」

管理責任があるにもかかわらず空き家を放置してしまうと、思わぬトラブルや金銭的負担につながる可能性があります。

  1. 近隣への損害賠償リスク
    管理不全が原因で、例えば「台風で屋根が飛んで隣家を傷つけた」「ブロック塀が倒れて通行人が怪我をした」といった事故が発生した場合、管理責任者として損害賠償を請求される恐れがあります。
  2. 「特定空家」に指定されるリスク
    倒壊の危険性が高い、衛生上有害であるなど、放置することが不適切と判断された空き家は、行政から「特定空家」に指定されることがあります。指定されると、行政からの指導や勧告に従う必要があり、最終的には固定資産税の優遇措置が解除され、税額が最大で6倍になることもあります。
チェックポイント
● 管理責任の放棄は、近隣トラブルや金銭的リスクに直結する
● 特に損害賠償は、数百万〜数千万円になるケースも
● 税金の負担増も大きなデメリット

3. 管理責任から解放されるための具体的な解決策

では、どうすればこの管理責任から正式に解放されるのでしょうか。主な解決策は以下の通りです。

解決策 内容・注意点
他の相続人に引き渡す 自分以外の相続人がいる場合、その人に不動産の管理を引き継いでもらう方法です。ただし、全員が相続放棄している場合はこの方法は使えません。
相続財産清算人の選任 相続人全員が放棄した場合など、管理する人が誰もいない場合に最も確実な方法です。家庭裁判所に申し立て、選任された清算人に財産を引き渡すことで、管理責任がなくなります。
チェックポイント
● 管理する人が誰もいない場合は「相続財産清算人」の選任が基本
● この手続きを経て初めて、法的に管理責任から解放される
● 手続きには費用と時間がかかるため、専門家への相談がおすすめ

4. 解決の切り札「相続財産清算人」とは?

「相続財産清算人(旧:相続財産管理人)」とは、亡くなった方の財産を管理・調査し、最終的に清算(売却してお金に換え、国のものにするなど)する役割を持つ人で、家庭裁判所によって選ばれた弁護士などの専門家が務めます。

この清算人を選任してもらうには、家庭裁判所への申立てが必要です。しかし、申立ての際に「予納金」というまとまった費用を裁判所に納める必要があります。この予納金は、清算人の報酬や管理費用に使われるもので、事案によりますが数十万円から100万円以上かかることもあり、これが申立ての大きなハードルとなっています。

チェックポイント
● 相続財産清算人は、空き家問題を解決してくれる公的な代理人
● 選任申立てには、高額な予納金が必要になる場合がある
● 予納金の準備が、手続きを進める上での最大の課題

5. よくある質問|相続放棄後の空き家管理

相続放棄と空き家管理に関して、お客様からよくいただくご質問をご紹介します。

質問 回答
Q. 相続財産清算人は必ず選ばないといけませんか? A. 法律上の義務ではありません。しかし、管理責任から完全に解放され、将来的なリスクをなくすためには、選任手続きを行うのが最も確実な方法です。
Q. 清算人に引き渡すまでの管理費用は誰が払うの? A. 保存義務を負っている相続放棄者が、自己の財産から支払う必要があります。例えば、台風前の屋根の補修費用などがこれにあたります。
Q. 相続放棄する前に何かできることはありますか? A. 相続人全員で話し合い、誰か一人が相続して売却するなど、放棄以外の道を探るのが第一です。売却が難しい場合でも、全員で協力して清算人の選任費用を準備するなど、早めに方針を決めることが重要です。
チェックポイント
● リスクを避けるためには、清算人の選任が最も有効な手段
● 管理責任が残る期間の費用は、自己負担となる
● 「相続放棄ありき」で考えず、まずは相続人全員で解決策を話し合おう

うちの実家の場合、どうするのがベスト?」「手続きの費用が心配…
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