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解体かリノベか|築古住宅の再活用アイデア

建築

髙岡 秀樹

筆者 髙岡 秀樹

不動産キャリア15年

新築・リフォームでのべ1000件以上のお客様と関わった経験をもとに、建築士として25年以上の知識を活かしながら求められているもののヒアリング、掘り下げからお客様のニーズに合わせた柔軟なご提案を的確に行うことができます!
またコミュニケーション能力を活かし、様々な世代のお客様に対して寄り添ったご提案をいたします(^▽^)/

不動産共有のリスク|売却・相続で困らないために

「兄弟で実家を相続したけど、このままで大丈夫かな?」
一つの不動産を複数人で所有する「共有名義」。 相続などをきっかけに、意図せず共有状態になるケースは少なくありません。 「仲が良いから大丈夫」と思っていても、将来的に売却や次の相続が発生した際に、思わぬトラブルに発展することがあります。

実は、共有名義の不動産は「所有者全員の同意」がなければ、売却も大規模なリフォームもできません。 この記事では、不動産を共有することで生じる3つの大きなリスクと、将来困らないための具体的な解決策について、プロの視点から分かりやすく解説します。

目次

  1. 放置は危険!不動産共有が抱える「3大リスク」
  2. 共有状態を解消するための3つの具体的な方法
  3. トラブルを未然に防ぐ!相続前の対策
  4. 共有不動産の固定資産税は誰が払う?
  5. よくある質問|不動産の共有名義
  6. 1. 放置は危険! 不動産共有が抱える「3大リスク」

    不動産の共有は、権利関係が複雑になることで様々な問題を引き起こす可能性があります。 特に注意すべき3つのリスクを理解しておきましょう。

  7. 【売却できないリスク】
    共有不動産全体を売却するには、共有者全員の同意 が必要です。 一人でも反対すれば、売却手続きを進めることはできません。 「売りたい人」と「住み続けたい人」で意見が分かれたり、連絡が取れない共有者がいたりすると、不動産を動かせない「塩漬け」状態になってしまいます。
  8. 【相続で権利者が増えるリスク】
    共有者の一人が亡くなると、その人の持分はさらにその相続人へと引き継がれます。 例えば、兄弟2人での共有だった不動産が、甥や姪、その配偶者など、会ったこともない親族が加わることで、ネズミ算式に権利者が増えていく可能性があります。 関係者が増えれば増えるほど、合意形成は絶望的に困難になります。
  9. 【活用できないリスク】
    売却だけでなく、大規模なリフォームや賃貸に出すといった活用にも、原則として他の共有者の同意が必要です。 意見がまとまらず何もできなければ、誰も使わない空き家として放置され、固定資産税や管理費だけがかかり続ける負の資産(負動産)になりかねません。
チェックポイント
● 共有不動産は「全員の同意」がなければ動かせない
● 相続を重ねるごとに、権利関係はどんどん複雑化する
● 問題を先送りせず、できるだけ早く共有状態を解消することが重要

2. 共有状態を解消するための3つの具体的な方法

複雑になってしまった共有関係を解消するには、主に3つの方法があります。

当事者間での話し合いがまとまらない場合は、裁判所に「共有物分割請求」を申し立て、法的な解決を図ることも可能です。

チェックポイント
● まずは共有者間で、誰がどうしたいのかを話し合うことが第一歩
● 話し合いが難しい場合は、法的な手続きも視野に入れる
● どの方法を選ぶにしても、専門家のアドバイスが不可欠

3. トラブルを未然に防ぐ! 相続前の対策

最も望ましいのは、そもそも安易に共有状態にしないことです。 将来の相続でトラブルを防ぐためには、生前の対策が極めて重要になります。

  • 遺言書を作成する
    「この不動産は長男に相続させる」といった内容の遺言書を作成しておくことで、特定の相続人に不動産を集中させ、共有状態を回避できます。 相続人同士の話し合い(遺産分割協議)の手間も省けます。
  • 生命保険を活用する
    不動産を相続する相続人が、他の相続人に「代償金」として現金を支払うことで公平性を保つ「代償分割」という方法があります。 その代償金の原資として、生命保険金を準備しておくのは非常に有効な手段です。
  • 生前に売却・整理する
    将来誰も住む予定がない不動産であれば、元気なうちに売却して現金化し、分けやすい形で残すというのも賢明な判断です。
チェックポイント
● 争いを生まないための最善策は「遺言書」の作成
● 「誰か一人が相続し、他の人には現金で」という形を準備しておく
● 元気なうちに資産整理(生前整理)を進めることも大切

4. 共有不動産の固定資産税は誰が払う?

固定資産税の納税通知書は、代表者(持分割合が多い人など)1名に送られてきますが、法律上は共有者全員が、それぞれの持分割合に応じて納税義務を負う「連帯納税義務者」となります。

つまり、誰か一人が支払いを滞納した場合、役所は他の共有者に対して、滞納分を含めた全額の支払いを請求することができます。 代表者がきちんと払っているかを確認したり、支払い方法について事前に取り決めたりしておくことがトラブル防止に繋がります。

チェックポイント
● 固定資産税は、共有者全員に支払い義務がある
● 他の人の滞納分も請求されるリスクがあることを理解しておく
● 税金の支払いルールは、最初に明確に決めておくべき

5. よくある質問|不動産の共有名義

不動産の共有について、お客様からよくいただくご質問をご紹介します。

解消方法 内容
(1) 他の共有者の持分を買い取る 自分がその不動産を取得したい場合に、他の共有者から持分を買い取り、単独名義にする方法。公平な価格設定と、買い取るための資金準備が必要です。
(2) 自分の持分のみを売却する 自分の持分だけを第三者(主に不動産買取業者)に売却する方法。他の共有者の同意は不要ですが、一般的に市場価格よりかなり安くなる傾向があります。
(3) 不動産全体を売却して現金で分ける 共有者全員が合意できる場合の最もシンプルな方法。不動産を丸ごと売却し、売却代金を持分割合に応じて分配します(換価分割)。
質問 回答
Q. 共有名義のメリットは何かありますか? A. 夫婦で住宅ローンを組む(ペアローン)際に、それぞれの収入を合算できるため、より高額な物件を購入できる可能性があります。 また、売却時に利益が出た場合、共有者それぞれが3,000万円の特別控除を使える可能性があります。 しかし、デメリットの方が大きいケースが多いため慎重な判断が必要です。
Q. 話し合いがまとまりません。 どうすれば? A. 当事者間での解決が難しい場合は、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。 家庭裁判所での「共有物分割調停」や「共有物分割訴訟」といった法的な手続きに移行することも選択肢となります。
Q. 共有者の一人が認知症になったら? A. 認知症などで判断能力が不十分とみなされると、その方は有効な意思表示(売却の同意など)ができなくなります。 その場合、家庭裁判所に申し立てて「成年後見人」を選任してもらう必要があり、手続きが非常に煩雑になります。

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